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パニック障害の顛末F 再発、そして覚悟

−     2013.5.24〜2014.5     −


◆ 【中途半端な快癒】 2013.5〜2014.1 ◆
    断薬後、「断薬できたゼィ」 という喜びとともに、何かが頭につかえたような 違和感がありました。 離人感ほどではないのですが、何となく生き生きしていないというか、ときめきがないというか、 生きている実感が欠如しているような感じです。 しかし断薬を達成したことだし、次第に元の自分を取り戻すことができるだろうと考えていました。 しかし、なんとなく日々が過ぎていくだけで、もとの快活な自分はそこにいませんでした。 私は、病気を経てこういう自分に なってしまったんだと割り切ることにしました。 特に気分が悪いわけではないし、仕事のパフォーマンスが落ちたわけでもなく、 家族や人間関係がギクシャクしているわけでもなく、ランニングもこなすことができたし、英語の学習もできたので、とりあえず過ぎていく日々を 何となく追いかけていました。
    断薬から半年足らずの10月のある日、仕事で帰宅時間が少々遅くなり、深夜にシャワーを浴びていた時、 胸痛を自覚しました。 違和感というか、締め付け感というか、チクチクというか、激痛ではなく、 ぼんやりと痛いのです。 しかし気にせずに済むような痛みでもありませんでした。 その日、何とか入眠しましたが、 翌日からネットで胸痛についてを調べまくる日々が始まりました。 痛みの原因がわからず不安になりました。 私は、これがパニック障害の再発だとは思いたくありませんでしたし、パニック障害の再発だとは思えませんでした。 以前の発作の時の胸痛とは 感覚が異なっているように思えたからです。
    11月に入り、日々の生活に追われる中で、胸痛は自覚しなくなっていました。 しかし、 「いつ胸が痛むだろうか」 と ビクついている自分がいました。 そんなある日、仕事中に大発作がやってきたのです。 左胸のあたりから "ブワァー" っと何かか拡散するように冷感が走り、左腕全体にまで広がりました。 頭が真っ白になり、久しぶりの発作に体は小刻みに震えました。 「ああ....、ついに起こってしまった」 と思いつつも、 「たまに起こる程度だろう」 と見くびり、医者にも行かず、 余ったゾロフトも飲まずに放置していました。
    そして2013年の大晦日、コタツに入って紅白を見ているとき、またしても不快な胸痛に襲われました。 その後の正月休みは最悪でした。 原因不明の胸痛に苦しみながら、死の恐怖と対峙しなければならなかったのです。 元旦、1月2日、3日と日を追うごとに状態はひどくなり、全身の震えや異常な寒気、頻繁なパニック発作を経験しました。 それでも私は、これは心臓の病気なのだと思って疑わなかったのです。
    2014年1月4日、Sクリニックではない別の大病院を受診し、脳外科、内科、循環器科をはしごし、 下された診断が 「異常なし」。 またしても、パニック障害初体験の患者がやるようなことをしでかしてしまったのです。


◆ 【放置】 2014.1〜2014.5 ◆
    「異常なし」 の診断に、私はすっかり安心して、もとの生活に戻っていきました。 しかし寒い冬です。 気分はなかなかスッキリとは晴れませんでした。 それに、胸痛もおさまっていませんでした。 早朝の柏駅で常磐線を待っているとき、 強い寒風に吹き晒されて、たびたび意識が飛びそうになりました。 しかし、「異常なし」、「オレは異常なしなんだぁっ!」 と無理に自分に言い聞かせ、相変わらず医者にも行かず、薬も飲まずに頑張っていました。
    3月になると、背中の痛みが起こりました。 起床時に特にひどく痛み、日中は痛みがやや和らぎました。 ところが、その背中の痛みがだんだんと、かねてからの胸痛と区別がつかなくなってきました。
    再び死の不安に包まれました。 胸、背中、脇の下と、心臓疾患で痛む場所と同じところが痛むことで、 死の不安を拭い去ることがまったくできなくなってしまったのです。


◆ 【服薬再開】 2014.5 ◆
    ようやくSクリニック受診を決めました。 診察室に入ったときには、すでに服薬を再開する覚悟を決めていました。 『振り出しに戻る』 です。 先生は、「ついに慢性痛が出たか...」という感じで、ジェイゾロフトに加えて、サインバルタを処方しました。 先生は残念そうでしたが、 「前回の断薬までの期間が短すぎましたね。 気長にやることですよ。 仕事もできているし、 あなたは決して重症ではないのですから。」
    服用を再開するにあたり、飲み始めの副作用がありましたが、それは前回経験済みのことなので、辛くても耐えることができました。 サインバルタは2日に一度、20mgを服用するだけでしたが、確かに痛みに効きました。 そしてジェイゾロフトも、 憎らしいほど良く効きました
    私は再び覚悟を決め、イチから治療をスタートすることにしたのです。 この治療は今後長く続くでしょう。 でも決して焦らず 自分の症状には正直に、時には後戻りする勇気も忘れずに、この障害と付き合っていくつもりです。




                

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