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パニック障害の顛末B 診断

−     2012.2.20〜2012.3.7     −


◆ 【ホルター心電計】 2012.2.20〜3.1 ◆
    2012年2月20日、Sクリニックでホルター心電計を取り付け、翌日取り外しました。 取り付け時に行動記録表を渡されましたが、私はそれに加えて、別紙に細かな発作の状況を書き記し、一緒に提出しました。


◆ 【診断】 2012.3.1 ◆
    この24時間の計測結果は某医科大学で解析され、3月1日、私はその結果を聞きにSクリニックを訪れました。 最初の受信から11日目にして5回目の来院です。

    診察室に入ると先生は、 
「心臓にはまったく異常は無いです。」 とにっこり。
「へっ? そうだったんですか?」 
先生は解析結果の表を私に見せながら、
「この24時間の間に起こったエラーは2回だけ。 通常、健康な人でも40回くらいは出ます。  本当に心臓が悪い人になると、万の単位で出てきます。 でもあなたは2回。」 
「えっ。 じゃあ、あの発作は一体何だったんですか?」 
「うん。 これがまさにパニック.....」 
「パニック!?」 
「パニック障害とか広場恐怖なんていったりするけど、電車の中とかエレベーターなんかに一人で乗ってたりすると、 急に不安になって発作が起きたりする病気です。」 
「いやいや先生、確かに電車の中でもなったことがありますけど、夜寝ている時や、コタツでゴロゴロしている時にも起きるんですよ。」 
「うん、そうですね。 つまりねdicdicさん、これは非常に失礼な言い方になるけど、...うーん失礼だけどね、あなたの場合、 おそらく遺伝的に神経の伝達経路が少し弱いと言えるかもしれない。 きょうから新しいお薬です。」 
そう言って先生は、 「今日の治療薬」 という分厚い本をパラパラとめくり、1つのクスリを指さしました。  「ジェイゾロフト」 と書かれていましたが、私は、((なんだか読みにくい名前だな)) と思ったきりで、すぐに薬効の方へ目が移りました。

「うつ」 と書かれています。

「先生、私、うつじゃないんですけど.....」 
「まぁ聞いてくださいよ、」 
    先生はニューロンの話、神経伝達物質(特にセロトニン)の話、そしてセロトニンレセプター(特に1A、1B)やセロトニンを運ぶタンパク質の話を、 早口ながらも詳細に聞かせてくれました。 
正確なタンパク質の名前や、まったく聞いたこともないような酵素の名前がソラでスラスラ出てきます。  私は理系の出身で、こうしたテーマについての本も積極的に読んでいましたが、話の途中からまったく未知な領域に踏み込みました。 
Sクリニックは町医者です。 もう何度も来てますが、風邪の子供から腰痛のお年寄りまで、実に様々な患者が訪れる病院です。  そんな、一塊の町医者の口から、こんなにも詳細な説明が得られたことで、私はかなり安心し、また説明の内容にも納得できました。
「先生、なぜ今、このタイミングで、このような病気になってしまったのでしょう?」 
「誰にでも、遺伝的に受け継いだ気質がある。 あなたの場合、生活の変化とか、気候とか、いくつかの要因が重なって、 たまたまこのタイミングにそうした気質が出てきたとしかいえないですね。 まぁ、今まで溜め込んできたものがすこしずつ出てきて、 ようやく本来のdicdicさんがあらわれてきた、そう考えていいんじゃないですか?」 

    その日先生は、ジェイゾロフトを一週間分(1日1錠)と、デゾラム(1日3錠)を処方してくれました。  ジェイゾロフトについては、まずは様子見です。

    この日の午後、私は都内の別の病院(Oクリニック)へ行きました。 Sクリニックへ駆け込み、心電図に異常がないと知った後、 心療内科にも診てもらう必要性を感じ、予約しておいたのでした。 
    家から一時間以上もかかる病院のため、通院は避けたいところ。  あくまでセカンドオピニオンを聞きに行くだけです。 Oクリニックは午後2時からの診察です。  この日、私は4番目の順取りでしたが、私の診察が始まったのは、3時半過ぎです。 院長先生の診察でした。 
    この先生は、Sクリニックで処方されたクスリが、パニック障害の治療を始めた人に処方するクスリとしては最も一般的で、 何も心配ないとコメントしてくれたうえで、私の症状や、私の発症した時期などの詳細をヒアリングしました。  その上で、私の生活習慣や体質をズバリとひとつひとつ言い当ててゆきました。
    私はここでの診察で、改善すべき生活習慣がかなりあることを知りました。 特に、 「体を冷やさないこと」 と、 季節の変わり目の環境や体の変化をあなどってはけっしてならないことを知りました。



◆ 【ジェイゾロフト服用開始】 2012.3.1〜3.7 ◆
    その夜から、ジェイゾロフトの服用が始まりました。 1日1回、25mgを1錠を一週間服用して様子見です。
    ジェイゾロフトは、SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害剤) の一種で、 比較的安全性が高いとされている 「ゾロフト」 というクスリの日本版です。 「Jゾロフト」 という感じ(?)。

    翌日(3月2日)、発作は起きませんでした。 かなり楽です。 ときどき、心臓がバクバクッと動悸を始めますが、 意識が遠のくような感覚に至る前に、いつの間にか収まっています。 副作用のためか、夕方から夜にかけて頭痛がありましたが、 もともと頭痛持ちで、やり過ごし方を心得ている私にとっては、生活に支障が出るほどのものではありませんでした。

    翌日(3月3日)も、発作は起きませんでした。  やはりときどき、心臓がバクバクッと動悸を始めますが、いつの間にか収まります。 しかしその夜、土曜日だったため夜食が早かったので、食後にすぐに服用せず、夜遅くなってから、 空腹時にデパスと一緒に冷水で服用しました。 

    前日の服用の仕方がマズかったのか、日曜日(3月4日)は午前中から調子がよくありませんでした。 最初は気分が悪く、吐きそうでした。 でも吐くほどではありません。 副作用だと思って放っておきましたが、 その気分の悪さはだんだんと軽いうつ状態へと発展し、3〜4時間持続しました。 
    うつ状態をひとことで言えば、頭の中に、
    「空白」と
    「焦燥」と
    「恐怖」と
    「絶望」と
    「不安」
    がミックスされたような感覚です。
 
単に 「気分が落ち込む」 というものとは違います。  本当の 「うつ状態」 は、脳機能の障害によって発生します。 単なる機能障害と解っていても、体も思考も止まったまま、 動きません。 しかしその状態は、単にぼーっとしているのとも違います。  頭の中には焦りと絶望が混じったような嵐が吹いているのです。 私はこの時、パニック障害がうつ病を併発しやすいことを思い出しました。 もし、治療が後一週間遅れていたら大変なことになっていたかもしれません。 放っておいても回復しないと見切りをつけ、 デパスを2錠服用し2時間ほど寝ると、気分は回復しました。 その夜から、ジェイゾロフトの服用の仕方に十分注意することにしました。

    翌日(3月5日)、発作は起きませんでした。 やはりときどき、心臓がバクバクッと動悸を始めますが、いつの間にか収まります。

    翌日(3月6日)、発作は起きませんでした。

    翌日(3月7日)、発作は起きませんでした。 しかし朝の通勤電車でうつ状態が発現しました。  会社に到着して業務が始まる前のひと時を同僚と話をしながら過ごしていると、うつは引っ込んでゆきました。

    翌日(3月8日)、一週間の服用結果をもって、Sクリニックを受診しました。




                

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