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不確定志向性について

   スポーツに必要な要素は3つあると言われます。
「内発性」・「協調性」・「不確定志向性」がそれです。

   「内発性」とは、賞金とか賞賛といった「ご褒美」を目指す根性を捨て、スポーツすることそのものから得られる充足感を目指す精神。
   「協調性」とは読んで字のごとく。ただし、個人プレーのマラソンにはあまり関係ないように思えたりします。

   で、問題は「不確定志向性」ですが、
「予測不可能な未来に向かって、新しい挑戦をすることに意欲的に取り組む精神」と 定義されているようです。

   スポーツの場面では二度と同じ状況は起こりえません。 全く同じコースを走っていても、踏み込む場所によって路面のアンジュレーションは微妙に異なります。靴のくたびれ具合、服装、昨日の晩飯のメーニュー、 水分量、便や尿量、クルマの交通量、温度、湿度、日差し、等々不確定な要素はあまりにも多く、勝つか負けるか(走りきれるか失速してボロボロになるか) は、ゴールラインを切るその瞬間まで未知なわけです。その未知に挑戦する、できるかどうか分からないけど行ってみる、「行きたい!」という 衝動を素直に行動に移す、「必ずできる!」と信じる、「できる!」と自分に言い聞かせるといった「気持ちの強さ」が「不確定指向性」であるといえます。

千葉県柏市逆井


   考えてみれば、私の今までのランニングライフも、「不確定志向性」を育む戦いと言えたかもしれません。私は肺気胸を経験したこともあり、 自動車の排気ガスを極端に嫌うため、一般道路ではなく利根川や手賀沼の遊歩道を走ることが多いです。このことは同時に、自分の足以外の交通手段が ないことを意味します。途中で失速した場合は失意のうちに10数キロという道のりをトボトボと歩いて帰ってこなければなりません。道沿いにはコンビニも 自販機もなく、夜は街灯すらないため新月の晩は真っ暗です。こういった状況に陥らないため、街から街への真空状態をなんとしても走りきらなければ ならないのです。「いけるか? いけないか? 体調は万全だ。天気も味方した。日差しもまずまず。しかし風が強い。。。。」などと自身の中でつぶやきながら、 ネガティブな要素をカバーするためのペース配分やモチベーションコントロールプランを計画します。一度たりとも経験済みの条件など存在せず、たとえ 数百回走ったことのあるコースだとしても、初めてのコンディションとなるわけです。
   個人プレーのランニングでさえ、この大騒ぎですから、集団競技でしかも相手がある場合などは大変ですね。そんな競技を大観衆の前でプレーする 選手達のプレッシャーといったら、ホントに想像の域を超えていると思います。すごいですねぇ〜。

   「不確定指向性」の特徴は最大限に情報を収集し、最大限に努力して行動すること  です。何が起きても決して破綻せず、ピンチをチャンスに 変えれるような粘り強さと柔軟性が、どんなスポーツにも求められるのです。

体力の無さとどうつきあうか                  ランニングと寿命

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