エトムント・グスタフ・アルブレヒト・フッサール
【経歴・受章等】
    ゲッチンゲン大学教授 (1906年)
    フライブルク大学 (1916年)
    ナチスにより教授資格剥奪 (1933年)


【主著】
    『現象学の理念』
    『純粋現象学、及び現象学的哲学のための考案』
    『デカルト的省察』
Edmund Gustav Albrecht Husser
1859.4.8 - 1938.4.27
オーストリア

【思想の概要】
(現象学)
    私は現象学の創始者である。 デカルトの場合は「疑う」ことから始めたが、私の場合は、「疑う私」ではなく「知る私」に焦点をあてた。 人間が現実をどう知覚できるのかを把握すること、物事の「認識のしかた」(特に視覚)を把握することに努めたのである。 

(現象学的還元)
    見えている「対象」は、誰にとっても同じものと考えられるだろうか? でもそうではない。 この世界は極めて主観的なものに過ぎない。 つまり見る人(主体)によって千差万別に写るものだ。 これは「見方が違う」というレベルにとどまらない。 「世界はあくまでも観察主体から生み出されている」と理解すべきである。 

(エポケー)
    主体にとって、「現実」は常に一部しか認識することができない。 見る人によって角度が違うし、見る対象に対する注意の差し向け方、着眼点も違うし、見るタイミングによっては、まったく違うものを見るだろう。 宇宙から地球を見たところで、、その裏側を同時に見ることはできない。 このことは、誰の見方が「最も優れている」とか、「正しい」とかいうことは、誰にも断言できないことを意味する。 だから、断言すること、判断することは一時的に留保すべきである。 

(共通理解)
    エポケーの考え方は、単なる相対主義や懐疑主義的な見方にみえるだろうが、私のしたかったことはそうではなく、見る人によって異なる要素をそぎ落とすことで、みんなに共通な枠組みや構造を見出そうとしたのだ。 
【キーワード】
    現象学 現象学的還元 エポケー 共通理解
【関連人物】
    ハイデッガー
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