フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
【経歴・受章等】
    バーゼル大学教授
    プロシア国籍を放棄
    頭痛のためバーゼル大学降壇 (1879年)
    発狂 (1889年)


【主著】
    『ツァラトゥストラはかく語りき』
    『善悪の彼岸』
    『この人を見よ』
    『人間的な、あまりにも人間的な』
Friedrich Wilhelm Nietzsche
1844.10.15 - 1900.8.25
ドイツ

【思想の概要】

(「神は死んだ」)
    神が人間を創造したのではない。逆だ。人間の想像力が神を造りだしたのだ。

(「超人」の登場)
    私が生きた時代のヨーロッパは、強烈なニヒリズム(虚無感)に覆われていた。これは「キリスト教道徳」のせいである。キリスト教道徳における同情・博愛・謙遜なんてものは、みんな「弱者の道徳」と呼ぶのが相応しい。それこそ、強者に対するねたみ(ルサンチマン)に他ならない。キリスト教道徳に代わる新しい価値観を生み出そう。

(運命愛)
    ニヒリズムを克服し、無意味な人生の悲惨さを乗り越えるためには、ニヒリズムを直視し、ニヒリズムを徹底する以外にない。人間は本来、一度きりの人生を十分に楽しみ、肯定的に生きるべきだ。そのためには、たとえ、どんな境遇であろうとも、どんな人生であったとしても、「人生とはそういうものなのか、よしそれならばもう一度」と叫んでしまおう。 どんな人生であったとしても、「まったく同じ人生をもう一度生きたい!」と思えるように生きることだ。

(精神の三態) 駱駝、獅子、幼子
    私の最後の10年間は狂気の中にいた。私は私の理想どおり、最後に「幼な子」になったのである。



 発狂後、静養中のニーチェ
    発狂後、静養中のニーチェ
【キーワード】
    ルサンチマン  超人  永劫回帰  精神の三態 
【関連人物】
    ワーグナー
【ピックアップ解説】
ニヒリズムの最大の原因 = キリスト教道徳(=奴隷道徳)
同情、博愛、謙遜は、弱者の道徳、強者に対するねたみ(ルサンチマン)にほかならない。

「神は死んだ」
キリスト教道徳(=奴隷道徳)に代わる新しい価値をみずからが創り出さなければならない。(超人の登場)

超人
駱駝のような忍耐力と獅子の強さと小児の想像力をもって逞しく生きる

能動的ニヒリズム
ニヒリズムに徹底し、これを積極的に生きることによってニヒリズムを克服しよう

永劫回帰と運命愛
「人生とはそういうものなのか、よしそれならばもう一度」と叫んで、同じ形のまま無限回にゆ回帰する。 この、ニヒリズムを直視し肯定し愛する(運命愛)ことによって、無意味な人生の悲惨さを乗り越え、ニヒリズムを克服しよう。
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