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アラフォーからの英語学習 (『多読英語長文』編)

《一文が長い》

    4冊目のZ会の教材です。 しかしZ会やはり受験生向けの参考書、 さすがに今回は「長文問題の力をつけさせるための文章」という感が否めませんでした。

  
Z会の本の書籍はAmazonよりはZ会のページからの購入をお勧めします。

    「長文」という場合、厚みのある本のような「長さ」を想像しますが、 それだけではありません。今回の教材で際立っていたのは、「1文の長さ」です。 文頭からピリオドまでがまた長いのです。ひどいときは、ぎっしり詰まった1ページに5文か6文しかないこともあります。 カンマを挟んだり、コロンやセミコロンを挟んだり、関係接続詞 (thatやらwhatやら) を使って、 無駄に長い文が展開されています。


《目立つ「素材の悪さ」》

    私見ですが、優れた長文というのは、簡素で分かりやすいということが重要です。 そうした観点からすると、今回は読む気も失せるほどのひどい文章が多かったというのが正直なところです。
    27ある長文のうち、15ほど読んだところで、 「こんな文章はネイティブも読まないか、読んでもろくに意味を理解できないのではないか」と 感じるようになりました。  そう考えたのは、日本語訳を読んでも、ピンとこないことが多かったからです。 わかりきったことや、考えればそれほど難しくもないような話題を、だらだらと長い文章で、 わざと難解な単語をちりばめながら書いてあり、「これはいかにも受験英語のための英語だ」 と感じました。
    前半の文系素材を読んでいるときは、「こんなものなのだろうか」と思いながら、 我慢して読んでいましたが、理系素材になり、自分でもよく理解している話題の文を読むと、 半ばあきれてしまい、受験でこんな文章を読まされた学生を不憫にさえ思いました。
    いま時は、メディアやブログの普及により、優れた文章に触れる機会が多くなり、 物書きではない一般人ですら、自ら優れた文章を発信するような時代になっています。 そうした中で、このような文章を、しかもわざと意地悪く難解にした英語で読まされる受験に、 どんな意味があるのだろうと思いました。


《無駄なカンファレンスコーナー》

    これまでZ会の教材は、速単入門→速単標準→速熟→速聴多読、 と取り組んできましたが、よく見ると、編者はそれぞれ異なり、体裁も多少違いがあります。
    とくに今回は、素材のあとに、架空のキャラクター同士で いちいちコメントしあうコーナーがありますが、こんなものは全くの無駄と感じました。  高校生には意味があるのかどうか知りませんが、少なくとも私はほとんど読みませんでした。


《リンガメタリカを見送り》

    難解な文章を逐語的に理解しながら読み進む力は重要です。  しかし、逐語的に理解せざるを得ない文章には、そのような文章にならざるを得ない理由があるのです。 言葉に表現しづらい前言語的なイメージを言葉に落とすとき、その言葉でしか表現できない「何か」があり、 読者が逐語的にその文章を読み解く過程でその「何か」に気づくことが大切です。 一方、別の言葉で、もっと平易に表現しようのあるものを、わざと難しいい言葉で、だらだらと 述べられた文章というのは不愉快なものです。 今回の教材にはそう感じるものが多かったです。
    もちろん、すべてが悪かったわけではありません。 外語系の大学や、 医学系の学部の入試問題の文章は秀逸なものが多いように思いました。
    いろいろ書きましたが、今回の教材が「ハズレ」と感じたのは、 Z会うんぬんの問題ではなく、受験英語がいかに詰まらないかという問題だと思います。 Z会の教材では、今後、速単上級編とリンガメタリカを予定していましたが、 見送ることにしました。 これらを読むことで得られるものが、自分の目標からずれていると感じたからです。 ここでいったん軌道修正して、「話し言葉」を聞きとるための教材にシフトすることにしました。



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