Home > dicdicの英語学習 トップ > 『星の王子さま』 |
《論説とは違う解釈の難しさ》 『星の王子さま』は、子供向けの物語ですが、日常から離れた世界を描いているという点で、意味内容を適当に想像するということができません。 たいてい、聞き取りづらい箇所があった時には、部分的に聞き取れた単語などから、「たぶんこう言っているのだろう」と勝手に解釈しますが、この本ではそれをやると、 しまいにはまったく意味が通らなくなり、破綻します。 ゾウを丸呑みするウワバミからして、現実をはるかに逸脱しています。 いきおい、精読を心がけるようになりました。 いったん最後まで読み進めたら、次にスクリプトをまったく見ずに聞き取り、意味を理解することができない部分には赤ボールペンで印をつけて行きました。 そしてその部分を何度も聞いて、その表現に慣れていくようにしました。 最終的には持ったく本をもたずに終始音声だけで理解できるようにしました。 |
《物語としての 『星の王子さま』 》 『星の王子さま』は、英語の教材としてだけではなく、物語そのものも楽しく、またとても切ないものです。 飛行機乗りと王子様との絆はもちろん、 滑稽に見えるランプライターやビジネスマン、バラの花やキツネとのエピソードもまた、終始どこかにもの悲しさや切なさを含んでいます。 最後は不思議で抽象的な意味を含む文章が 展開されます。 生きる意味や覚悟、死に対する捉え方を語っている点でも、この本は読む価値があると思います。 『星の王子さま』は、児童向けの本でもたくさん刊行されていますが、単なる楽しい物語ではなく、読む側にもある程度の覚悟と人間的な素地がなければ 読めないものだと感じました。 それは、本のまえがきにもある通り、この時代にフランスが置かれた過酷な状況という背景を思い浮かべ、当時のフランスの子供達がどのような気持ちで この本を紐解いたかと想像する時、いっそう考えさせられる、何か深いものがあるように思います。 |
Home > dicdicの英語学習 トップ > 『星の王子さま』 |